渡邉拓貴(神戸大学)
2015年11月16日から19日にかけて,ACE 2015 (12th International Conference on Advances in Computer Entertainment Technology 2015)がマレーシアのイスカンダルで開催されました.この地域は国を挙げて開発を推し進めている場所ということで,広大な土地に大型のテーマパーク等の施設が点在しており,まさに現在開発中といった印象でした.
発表会場はMall of MediniのBlack Boxという場所で,普段の研究発表会場とは違い会場全体が黒く,まるでライブハウスのような雰囲気の場所でした.またすぐ隣にはレゴのテーマパーク,レゴランドがありました.
今回のプログラムでは13件の口頭発表と,ポスター発表とCreative Showcaseを合わせて33件の発表,4件のパフォーマンスが行われました.
発表では,楽器演奏支援,スポーツや教育分野へのテクノロジの導入,新しいインタフェースやアート的な作品などエンタテインメント分野を発展させるための様々な研究発表が行われました.パフォーマンスセッションでは音楽に合わせて会場の照明が赤や緑など様々な色に変化し,まさにライブ会場になっており,エンタテインメントの会議であるACEならではの光景でした.
パフォーマンスセッションの様子
今回の私の発表は「UltraSoundLog: Location/Person-aware Sound Log System for Museums」というタイトルで口頭発表を行いました.展示会やデモ発表のようなイベントで音声ログをする状況を想定し,超音波を用いて音声ログへ人物/場所情報をタグ付けするシステムを実際のイベントで使用しました.さらに,そこで明らかになった録音デバイスの装着位置の問題を解決する,といった内容のものです.私は残念ながら受賞することはできませんでしたが,Paper,Poster,Creative Showcaseの各部門で日本人が受賞しており,この分野での日本人の活躍を感じることができました.
またKeynoteやChairman’s Invited Speakerのセッションでは,脳科学やロボティクスの研究者からシェフやデザイナーといった,普段接する機会のない幅広いジャンルの方々の興味深いお話をたくさん聞くことができました.
バンケットではKeynoteでも講演されていた,Andoni Luis Adurizシェフによるスペシャルメニューが振舞われたり,マレーシアの伝統的ダンスが披露されて,それに飛び入り参加したりと楽しんできました.
バンケットでの様子
さらに,普段なかなか会うことのできない他大学の同世代の方とも毎晩のように飲みに行くなど,交流を深めることもできました.
今回の学会を通して得られた意見,経験,交流を活かし,今後の研究活動に励みたいと思います.
次回のACE 2016は日本の大阪にてEC 2016と同時開催されます.